居酒屋 池袋がこちらをお届け
隅田川や荒川の新しい堤防づくりや、まわりの水田も視野にいれたいと思っています。
大都市はそこを流れる川が大きな役割を果たしているものです。
ニューヨークにはイーストリパーとハドソン川が、ロンドンにはテームズ川が、パリにはセーヌ川がある。
それぞれの川が都市の表情をつくっています。
東京では隅田川や荒川、江戸川が非常に大事な存在なのです。
それをかろんじたために東京の街は魅力を半減させてしまった。
いま護岸工事をして、親しみのある川に戻しているのは、とてもいいことだと思います。
できればあの高速道路も護岸の下に埋めてもらいたい。
そうしたらすばらしい街に生まれ変わることでしょう。
賑やかな商底街をとり戻したい商底街の危機世界中の都市のなかで、どこにいちばん住みたいか?わたしはやっぱり東京なのですね。
なんといっても生まれ育ったところですから。
二番目は?と聞かれたら、パリと答えます。
以前OECD(経済協力開発機構)の仕事でパリに滞在したことがあります。
いちばん賛沢な住宅が集まっているパリの十六区の、二つ星の安宿に泊まりました。
日曜日の朝六時ごろ散歩に出たら、パン屋、お菓子屋、肉屋、果物屋がちゃんと開いていて、子どもがパケットをもって歩いていたり、ミルクをなみなみと入れた牛乳びんを運んでいるおにいちゃんと出会ったりする。
おばあちゃんはお菓子屋に行って注文をして、果物屋ではアルジェリアの元気のいいおにいちゃんが果物を並べている。
朝の六時ぐらいから街が生きているわけです。
パリは東京とは比較にならないぐらい成熟した都市文明をもっています。
十九世紀にはすでに、街には四、五階建てアパートメントが建ち、そこに家族が暮らしていました。
ここでは、どんなに庶民的な街でも高級住宅街でも、アパートメントの足元の一階部分が必ずお店屋さんになっています。
このように歴史もあり賑わいのある商店街が、都市の一つの理想なのではないでしょうか。
ところで、日本です。
いまわたしたちのまわりの商店街は元気がいいでしょうか。
個性があるでしょうか。
東京も地方都市も、どこへいっても同じような街並み、均一化した商店街があるだけ。
街が楽しくなるためには、わたしたちにとって、もっとも身近な企業は、商店街にもっとがんばってもらわなければなりません。
ある意味で商店街には「第二の農業」のような面があります。
商店の経営者の大部分は、おじいさんとおばあさんです。
後を継ぐ人がいない。
息子たちは、たいがい、会社員、大学の先生、役人になったりしています。
ひたすら年をとっていくだけの商店街の経営者には、商店をおもしろくしよう、商店街を盛りたてていこう、という新しい経営意欲がないようにみえます。
むかしからそこで商売をして得た土地建物などの財産を維持、管理するだけです。
商店街といいながら、じつは商店らしい商店がほとんどない。
そんな状況をあちらこちらでみかけます。
一方、郊外にはショッピングセンターやディスカウントストアが進出し、たくさんの人がそちらへ流れています。
街のなかにはむかしの雑貨屋さんの役割をはたすコンビニエンスストアが乱立しています。
本来ならば、地元商店のおじいさんやおばあさんが経営していてもおかしくない。
だが若者にアピールする経営センスがないので、雑貨屋は大資本系列のチェーンのなかに組み入れられてしまった。
商店街の流れからいうと、まったく異質の存在が出現しているのです。
そうしている聞に、商店街からどんどんお客さんの足が遠のいてしまった。
商店街の後ろに広がる住宅地に住んでいる人たちは、商店街の大事なお客さんです。
このお客さんに対して、古い商店街の親父さんたちはどれぐらいサービスしてきたでしょうか。
もう一度、基本的な反省をし、総点検をする。
街にとって商店街がいかに重要かということに、住民たちの関心をひきつけるようにしなければなりません。
商店街と市役所がいっしょになって国のお金をもらい、アーケードをつくったりカラー舗装をしたり、店のショーウインドーを直したりしているところもありますわたしには、結果がうまくいっているようには、どうしても思えないのです。
それでは、商店街の活性化のためになにをしたらよいのか。
わたしは既存商店街の「縮小再編成」が必要だと思います。
商店街は、商店が連なっていることに意味があるのです。
シャッターが下りた店や、アパート、マンションが途中にあってはつまらない。
ポツポツと間延びしていては魅力がないのです。
商店街をきちっとコンパクトにまとめ、一軒一軒を立ち止まってのぞいてみたくなるようなお店にする。
自分の息子が店を継がないとしたら、そこで店を閉めてしまわずに、商売をやりたいと思っている若い人に間口を安く貸し、うまく経営してもらう。
そういう方法なども考えられるでしょう。
商店街を再生させるにはわたしの「商店街縮小再編成案」を具体的にのべてみます。
基本的には「商店街に集合住宅を建てなおす」ということです。
たとえば一軒の豆腐屋さんが自分の店をつくり替えるとします。
とき思い切って四階建てか五階建ての集合住宅にする。
一階に豆腐屋があり、二階に家主である豆腐屋さん夫婦が住む。
上の階はむかしでいう下宿屋です。
そこは、七十歳のお年寄りも二十代の若者も安心して住めるような、しっかりした住宅にする。
ポイントは小さいリフト(昇降機)をつけること。
フランスのアパートメントによくある、なかが見えるしゃれたリフトです。
リフトは、階段の昇り降りが苦手なお年寄りにはかかせないものです。
上の階の住人は商店の大事なお得意さんになりますから、人たちが喜んで集まるような品揃えにする。
そうすれば商売もうまくいき、人も集まるはずです。
お豆腐屋さんの隣は花屋さん、隣は喫茶店というようにとぎれないのが理想の商店街。
階上はお年寄りも若者も楽しく暮らせる集合住宅になっている。
左が現在のとある商店街の図。
お店(斜線部分)が櫛形にバラバラと散らばっている。
これをみんなの協力を得てーか所に集め、縮小したのが右の図。
こうすれば商店は賑やかになる。
このような商店兼集合住宅がいくつも並んで商店街を構成する。
この「商店街再編成案」にはさまざまなメリットがあります。
街なかにお年寄りに住んでもらうことも、一つです。
お年寄りにとっては、毎日、窓の下を眺めているだけでも気がはれます。
きれいな女の子が通っているのを、車荷子に乗ったおじいさんが窓から双眼鏡でながめる。
元気なら自分で街のビデオ屋に行って、見たいビデオを借りてくる。
おばあちゃんだったら花屋に行って、美容院でおしゃれもできる。
これからの時代は、男女とも結婚をしない傾向が強くなります。
離婚もますます増えるでしょう。
とくに女性は平均寿命が長いですから、結婚をしても、いずれ独り者になる確率がたかい。
みんな一人ひとりになっていく。
とき、「個」を自然なかたちで集められるような「場」をつくっていかなければなりません。
ほどほどのつながりで集めておいて、しかもあまりべったりしない。
そういう「場」としての商店街が求められていると思うのです。
当世流行の年上の女性と年若い男性。
たとえば七十歳のおばあさんが五十歳のおじさんといっしょになるというようなこともあるかもしれない。
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